コリントス同盟の目的や背景、その成立過程と主要な内容をわかりやすく解説。古代ギリシャにおける同盟の意義とその歴史的影響についても詳述。

コリントス同盟の目的・内容をわかりやすく解説

コリントス同盟は、紀元前4世紀にマケドニア王フィリッポス二世がギリシャ諸都市国家を統合するために結成した軍事・政治同盟である。この同盟は、ギリシャ世界の統一と対ペルシア戦争を目的とし、その後のアレクサンドロス大王の遠征にも大きな影響を与えた。本記事では、コリントス同盟の目的や成立背景、加盟国、そしてその後の歴史について詳しく情報をまとめる。

 

 

コリントス同盟の目的と成立背景

コリントス同盟の主な目的は、ギリシャ諸都市国家の統一とペルシア帝国に対する共同戦線の構築であった。同盟の成立背景には、フィリッポス二世の野心とギリシャ諸都市国家の分裂があった。

 

フィリッポス二世の野心

フィリッポス二世はマケドニアの王であり、ギリシャ全土を統一し、ペルシア帝国に対する遠征を計画していた。彼は、ギリシャ諸都市国家を統合することで、強大な軍事力を築こうとした。そんな中で同盟の成立は、彼の権威と影響力をギリシャ全土に広げる契機となった。フィリッポス二世は、ギリシャ諸都市国家の指導者たちを説得し、共同の利益を強調することで同盟を成立させたのだ。

 

ギリシャ諸都市国家の分裂

当時のギリシャは多くの独立した都市国家が存在し、互いに争いを繰り返していた。これにより、ペルシアの脅威に対して一貫した防衛体制を築くことが困難であった。

 

コリントス同盟の特徴

ヘラス同盟との違い

コリントス同盟は、かつてのヘラス同盟といくつかの点で類似しているが、異なる目的と構造を持っていた。ヘラス同盟は紀元前5世紀にペルシア戦争に対抗するために結成されたが、コリントス同盟はフィリッポス二世の主導による統一と遠征を目的としていた。

 

デロス同盟との違い

デロス同盟はアテネを中心にした海上同盟であり、コリントス同盟とは異なる目的と構造を持っていた。デロス同盟はペルシア戦争後のギリシャ世界の防衛を目的としていた。

 

またデロス同盟は海軍力を基盤とし、アテネの覇権を支えるために機能していたが、コリントス同盟は陸軍力を中心としたフィリッポス二世の指導による同盟であった。

 

コリントス同盟の加盟国一覧

コリントス同盟には、多くのギリシャ都市国家が加盟したが、一部の重要な都市国家は参加しなかった。そのため、同盟の力は限定的であったが、それでもギリシャ全体に対する影響力は大きかった。

 

同盟の盟主

コリントス同盟の盟主はフィリッポス二世のマケドニア王国であった。マケドニアは同盟のリーダーとして、ギリシャ諸都市国家の軍事力を統率し、対ペルシア戦争の準備を進めた。

 

その他主要加盟国

  • アテネ
  • テーバイ
  • コリントス
  • アルゴス
  • エピダウロス
  • メガラ
  • トロイゼン
  • その他のペロポネソス半島の都市国家

 

スパルタはなぜ同盟に参加しなかったのか

ギリシャの有力ポリス筆頭であるスパルタはコリントス同盟に参加しなかった。その理由は、スパルタが独自の軍事力と政治体制を維持し続け、フィリッポス二世の支配を受け入れることを拒否したからである。

 

スパルタは自らの軍事力と独自の政治体制を誇り、他の都市国家に対する優越感を持っていた。そのため、他国との同盟に対して慎重な姿勢を取った。

 

コリントス同盟の解消とその後

コリントス同盟は、アレクサンドロス大王の死後、次第に崩壊していった。彼の後継者たちの間で争いが起こり、同盟はその目的を果たすことができなくなった。

 

同盟の崩壊

アレクサンドロス大王の死後、彼の後継者たちの間での争いが激化し、コリントス同盟は次第に機能を失っていった。

 

その後の影響

コリントス同盟の崩壊後、ギリシャ諸都市国家は再び独立し、内戦と外敵の脅威にさらされることとなった。この時期は、ギリシャ世界の衰退とローマの台頭の端緒となった。

 

コリントス同盟は、古代ギリシャにおける重要な軍事・政治同盟であり、フィリッポス二世の指導の下でギリシャ諸都市国家の統一と対ペルシア戦争の準備が進められた。同盟の成立と崩壊は、ギリシャ世界の歴史に大きな影響を与え、その後の歴史的展開にも多くの示唆を与えている。